引き寄せた
あなたの項から
立ち上る
温かいあなたの香りが
ぼくをしきりに酔わせる
腰にかけた右手は
あなたの臀部を
強く抱え込み
左の手は廻した
あなたの背中を通りすぎ
あなたの左胸辺りに
届こうとし
柔らかな乳房を
弄ろうとする
そんな激しい抱擁も
ぼくのあなたへの
愛情のほんの一片でしかない
囁く愛の言葉もまた
ほんの一片でしかない
あなたを突き抜けるほどの
男の欲情もまた
ぼくのあなたへの
愛情のほんの一片でしかない
あなたへの愛は
始まりばかりで
どこまでも
終わりのない
遥かなる旅路のようで
最終章のない長編小説のようだ
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