やっぱり蕾みだったね
遙々と訪れてみた
桜の古木は
ながい眠りからまだ
目覚めていなかった
けれど
ぼくたちの話には
花が咲いたかのように
たくさんのことを
話したね
話し手と聞き手を
奪い合うように
お互いは
饒舌になり
春の日射しを浴びながら
心ゆくまで
語り合ったね
ほら
あのとき
ぼくがあなたの話で
とても興味をわかせた
あの話は・・・
何だった？
まだ
丸一日しか経っていないのに
記憶の淵に引っ掛かって
取り出せないくらい
いろんなことを
話し合ったんだ
「好きだよ」
って言っては
今日、これで何回目だろう
好きってあなたに言うのは・・・
そんなことも言ってたっけ
桜はまだだったけれど
愉しい想い出の一日を
お互いの心の中に
プレゼントしあえたんだ
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